のんべんだらり。

映画の感想とかなんかいろいろ。

ジェーン・ドゥの解剖。

 

2016年に公開された

ジェーン・ドゥの解剖。

という映画の感想ネタバレ記事です。

余韻に浸りたいので書くことにしました。

語彙力はないです。

 

まず最初にジェーン・ドゥというのは日本でいうところの「名無しの権兵衛」ですね。

名無しの権兵衛、名前がわからない人に使う言葉ですね。

メアリー・ドゥ、ジョン・ドゥともいいます。

 

映画は静かに始まり、とある一家で起きた殺人? 現場を警察が調べているところから始まります。

そこの地下で発見された青白く美しい女性の死体。

主人公は最初に出てくる警察でもなんでもなく、その死体を解剖、検死してほしいと保安官に頼まれた親子です。

母は亡くなり、父と息子の二人で解剖をやっているようですね。

息子には彼女がいますが、デートへ行こうとしているところで保安官が死体を土産にやってきます。

翌朝までにやってほしいと頼まれ、父は息子に一人で大丈夫と言い解剖に取り組み始めます。

デートへ出かけようとする息子ですが、父を一人にしておけない、そう彼女に言い手伝いを始めます。

タイトル回収ですね。

身元不明の女性死体だからジェーン・ドゥ。それを解剖していくわけです。

 

息子がデートを断る際、また今度ジュースを二杯奢るから!

などと頭を下げ、

「笑ったらおっけーってことだよ(要約)」

と頼み込み、彼女が笑って帰っていくシーンとかほほえましかったです。

「父をほっておけない」

「そしたら私はほっておかれるってわけね」

なんて会話をした後のそれで、信頼関係が見えていいなぁ、と。

 

そして親子は死体をかっさばきながら、外傷、内傷を調べていくんですが、不可解な点ばかりが死体にはあります。

まず、外傷がない。

青あざの一つすらも。

にもかかわらず、手首、足首は複雑骨折している。

そんなことは不可能だ、と他を調べていくうちに、

手足を縛られているとそんな傷ができることがある。

という結論にたどり着きます。

不可能だと思われる、からの、いやこういう可能性がある。

って感じで謎が解けていくのは見ていて気持ちいいものがありますね。

まぁそんな感じでやっていくんですが、大雨警報が出ていて大変危険だ、というラジオニュースが流れます。

雷が鳴り響いていたり、電気がちかちかと点滅していたり、ニュースが流れるまでにそれっぽい描写は結構ありました。

ラジオが急に移り変わり、よくわからない歌が流れ始めたりと、ね。

 

まぁ気にせず仕事を進めていくんですが、いわゆる怪奇現象が起き始めます。

しっかり閉めたはずの遺体安置装置が開いていたり、どこかから物音がしたり。

しまいにゃあ電気が割れあたり一面真っ暗闇。

そうなるまでに幾度が息子が

「もうやめよう? 明日にしよう」

「なんかやばいよ、ここから出よう」

と提案するも断り続けていた父でしたが、ここにきてようやく頷き逃げ出そうとするんですね。

 

少し話は変わりまして、生きているのに死体と間違われてしまわないよう、古来では検死する死体に鈴をつけていました。

生きていたら動いて鈴の音が知らせてくれるからですね。

 

さて、話は戻りまして真っ暗闇の中脱出することを決意した二人です。

検死する場所は地下にあるので、エレベーターが起動しないと出られません。

階段はあるものの、ハッチのように扉を持ち上げて出なくてはいけません。

エレベーターは電力不足で起動せず。

ハッチを持ち上げようにも倒木がふさいでいる。

 

ちりんちりん。

 

するわけですよ、鈴の音が。

 

まぁそんな感じでジェーン・ドゥが引き起こしたと思われる怪異から逃げつつ、助かろうとするんですけど。

鈴の音をさせる死体が検死する部屋……オペ室? の扉をドンドン叩いて今にも侵入されそうになるんです。

父はジェーン・ドゥに顔を寄せ、

「自分はどうなってもいい。あなたを助けたい。だから息子だけは助けてくれ」

と懇願します。

するとジェーン・ドゥの手首、足首の骨折が治っていきます。

それと同時に、父は苦しみ始めます。

ジェーンの傷を、全て父が受け継いだんでしょうか。

息子が焦って父を抱きとめるも、かっぴらかれた胸元すらふさがっていきます。

そしてやはり、父は同じように苦しんでいきます。

転がったナイフに手を伸ばし、父は息子に懇願します。

いやだ、いやだ、と首を振る息子ですが最終的には父を楽にしてあげるんですね。

そして、全ての怪異が終わったと思われました。

物音がし、息子は保安官が来てくれたとハッチへ向かいます。

倒木をどけた、と言われ開けようとするもなかなか開きません。

どうしても開かないんだ、と焦る息子。

もう開くはずだ、と言っていた保安官が急に歌いだすんです。

そう、ラジオから突如聞こえてきた歌ですね。

動揺のようにポップな曲調の、異変中聞こえていたものが突如知り合いから発せられると焦りますよね。

当然息子もそうなりました。

ちりん、鈴の音がします。

逃げ出そうとした息子の前には、先ほど手を下した父が。

逃げ出そうとし、階段の手すりへ体重をかけてしまうんです。

もうお察しですね。

落ちて、彼は死んでしまいました。

 

翌日。

保安官たちがやってきて、現場検証をしています。

そこではつけっぱなしのラジオが流れています。

 

××日続いたお天気が——……。

 

どこまでが現実で、どこまでが幻だったんでしょうか?

集団幻覚?

どこから、どこまでが、現実だった?

ジェーン・ドゥにメスをいれたその瞬間?

それとも、もっと前から?

 

なんとも不気味な終わり方をしますが、ジェーン・ドゥにかかわったものはそんな終わりをたどるんだろうな、ってことだけはわかりました。

全員死体エンド!!!!!!

 

ってところでほかの方の考察などなどを読んできたんですが、

ラストシーン、運転をしている保安官(この場で初登場)がブルートゥースイヤホンマイクを使って

「もう二度としない」

と通話しているシーンがあります。

その後視点は動き、車で運ばれるジェーン・ドゥに変わるんですが……。

ジェーン・ドゥが車で運ばれている、という演出として運転手に視点をあてたんじゃないかなぁ、と。

ただこの保安官、親子の家で煙草を吸ってポイ捨てしていた、なんて記事もありましたので。

どこかしらでまたジェーン・ドゥは雑に扱われ同じように未解決事件を生み出すんだろうなぁ、といった解釈もみられましたね。

 

未来のわたしがこれを読み返してまた見たくなった時内容を思い出さないよう、事件の核心に触れるような部分ははしょって書きましたが。

頭からっぽにしてヘッドホンつけてみましたがとても面白かったです。

音がいいし、音でびびらせてくることがあるので是非ヘッドホンつけてみましょう。

音の使い方だとか、めりはりが非常によかったなーって思いました。

謎が全部解明されるわけでもない全滅エンド。

なんとも言えない終わり方が最高でした。

考察する余韻を残す映画は好みが極端に分かれるけど面白いと思います。

少なくともわたしは好きですね。

 

ま、さんざ書きましたが検死関連のお話というか、腹かっぴらかれた死体が画面にうつってるんでグロが苦手な人は見れないと思います。

次は何をみようかな。

ハンニバルが見たい気分なんだけど、羊たちの沈黙の内容をすっかり忘れてるのでそっちを見たい。

チャイルドプレイもみたい。

好みにぶっ刺さるものがあったらまた記事にしたいと思いました。